電気刺激により骨格筋が収縮する現象は古くから知られており、廃用などに伴う筋萎縮に対する治療法として用いられてきています。しかし、これまでの骨格筋電気刺激に関しては部位毎のアプローチに限られ、下肢全体に行うことが困難であり、また効果検証が不十分であったため、筋萎縮に対する治療法あるいは予防法として評価されてこなかったのが現状です。
ベルト電極式骨格筋電気刺激法(Belt electrode - Skeletal muscle Electrical Stimulation : B-SES ビーセス)は、従来の電気刺激法とは異なり、電極を腰や脚に巻き付けるベルト電極を使用することにより(図参照)、大腿四頭筋・ハムストリング・前脛骨筋・下腿三頭筋など筋収縮に参加する筋量の増加を可能とした新しい治療法です。 既に廃用性筋萎縮の改善や糖代謝に与える効果が一部明らかにされております。

< 京都大学 名誉教授 森谷敏夫先生 >